お客様の元へ訪問して、美容業を行う出張(訪問)型の形態がだんだん増えてきましたね。
普段あまり気にしなかったようなことも、実際に利用するサービスとなってくると、いろいろな疑問が湧いてくると思います。
たとえば、こんな疑問。
最近、母が外出できなくなって、訪問美容っていうのを知ったんだけど、
探してみると、出張美容だったり、福祉美容だったり・・・
一体、何が違うの!?
そうですね。
先に結論を言うと、
業務自体は「出張美容と訪問美容と福祉美容は同じ」、
「福祉美容は出張(訪問)美容についての専門性が高い」
と言えます。
解説していきます。
出張美容と訪問美容と福祉美容はほぼ同じ
まず、美容師法には下記の記載があります。
(美容所以外の場所における営業の禁止)
第七条 美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない。ただし、政令で定める特別の事情がある場合には、この限りでない。
↑この「特別の事情」にあたる場合に該当するのが、外出が困難な方を対象として営業する場合のことで、いわゆる出張美容のことです。
外出が困難な場合として、認められている場合
(1)疾病の状態にある場合のほか、骨折、認知症、障害、寝たきり等の要介護状態にある等の状態にある者であって、その状態の程度や生活環境に鑑み、社会通念上、理容所又は美容所に来ることが困難であると認められるもの(2)自宅等において、常時、家族である乳幼児の育児又は重度の要介護状態にある高齢者等の介護を行っている者であって、その他の家族の援助や行政等による育児又は介護サービスを利用することが困難であり、仮に、自宅等に育児又は介護を受けている家族を残して理容所又は美容所に行った場合には、当該家族の安全性を確保することが困難になると認められるもの
美容師法には「出張美容」の記載のみ
実際に、美容師法の記載を調べてみても、「出張美容」の記載しかありません。
先ほど書いた通り、もともと美容師は美容所以外の場所での営業を禁止されています。
しかしながら、特別な事情がある場合は「出張」OK!という訳です。
「美容所から出向く=出張」が一般的だったため、「出張美容」となっているのだと思われます。
ふむふむ。
じゃ、訪問美容と福祉美容は?
「訪問美容」とも言われる訳は?
一方、「訪問美容」は下記のような理由で普及した広まったのではないかと考えられます。
1.必ずしも、美容所から出向くばかりではなくなった。
2.利用者にとって、「訪問○○」が親しみやすかった。
一方、出張専門の形態も認められるようになり、必ずしも「美容所から出向く」ばかりではなくなってきました。
ただし、熊本県の場合、美容師免許を持っているだけでは出張美容を行うことができません。
出張美容を専門として行う場合、下記2点が必要です。
①「美容所の開所」または「管理施設の設置」
②「管理美容師」の配置
福祉美容アネモネは、御船保健所より「管理施設の設置」型の出張専門店として2017年5月29日に認可を得ています。
また、介護・福祉・医療の分野では、訪問介護だったり、訪問看護といった「訪問○○」が一般的ということもあり、利用者にとってイメージしやすく、親しみあるサービスに見えますね。
おそらく、こういった理由から、「出張美容」と並んで「訪問美容」と言われるケースが増えたのだと思います。
「福祉美容」と言われる訳は?
では、「福祉美容」と呼ばれるのはなぜでしょう?
「出張美容」の対象には、高齢者や療養者、障がい者といった方が多く、福祉性が高い分野になります。
「福祉美容」と言われる所以はここにありそうです。
いまでは、その福祉性の高さから出張美容の専門性を高める活動が活発になり、「福祉美容師」や「福祉理美容師」といった認定資格が多くの団体でつくられています。
普通の美容師さんであっても、出張美容を行うこと自体はできますが、そこに専門性を見出して取り組んでいる業者さんはまだまだ少ないようです。
一方で、福祉美容を名乗る業者には福祉美容師などの専門資格を持った美容師さんが施術を行うケースが増えてきました。
つまり、業務自体はほぼ同じなのですが、「出張美容・訪問美容という分野についての専門性という点が大きく異なる」ということです。
利用する側からの視点で見れば、「普通の出張(訪問)美容なのか、専門性の高い出張(訪問)美容なのか」という違いがあるという見方で探されるといいかもしれません。
福祉美容アネモネの場合、「NPO法人日本理美容福祉協会」認定の「福祉理美容師」が施術を担当します。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これから、ますますこの形態の業者さんが出てくると思います。
利用者さんもしっかりと下調べをして、ご利用ください。
福祉美容アネモネ(070-6548-8238)